初恋
『ごっごめん!』
恥ずかしくて赤くなった顔を下に向けて海斗に謝った。
「べ、べつに……つかお前、なんで走ってたんだよ」
『……え?』
急に話題を変えられて、頭の弱い私は海斗の話についていけない。
「だから!なんで走ってたんだよって聞いてんの!」
やっと理解ができてさっきの出来事を頭の中で1つずつ順番に辿っていく。
『えっと……あっ、そう!海斗のとこ行こうと思ってたんだ!』
それを聞いた海斗が顔をしかめる。
「なんで俺のとこ……?一緒に帰るって言ったろ?」
『……!そうっ!そのことなんだけどねっ』
思い出したようにそのことについて話を切り出し、更に話を続ける。
『あの……一緒に帰れ、なく……なっちゃっ……た。』
言葉を発するたびに、海斗がだんだん不機嫌になっていくのが分かり、とぎれながらだけれども言葉を続けた。
「……なんで?」
そうぶっきらぼうにポツリと呟いた。