初恋


「ふーん……木下海斗だけど」

海斗も同じように少し冷たく言い放った。

そして、少しの沈黙のあと。

『「「……」」』

「んじゃ、俺ら居残りだから。」

『っあ……』

「行くぞっ」と蓮弥に言われ、腕を引っ張られて教室に入れられた。そして蓮弥にドアもしめられてしまったので廊下に居る海斗が見えなくなってしまった。


『……』


「これ、担任から」

と言って渡されたのは作文用紙だった。

『え……』

とあたしは立ち尽くしていた。


「……まぁ、とりあえず、座れば?」

と蓮弥に言われ、促されるままに自分の席に座った。

蓮弥が座っていたのは、なぜかあたしの前の子の席。

「机、くっつけよ」

そう言って蓮弥が机をこっちに向けてあたしの机にくっつけた。




< 26 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop