初恋
『あ、蓮弥と機種、一緒だ。』
蓮弥の携帯を見て、無意識のうちにそう呟いていた。
あたしの言葉に反応した蓮弥は、お互いの携帯を見る。
「あ……マジだっ」
といって笑顔を見せた蓮弥。
──ドキッ
っ……なんなの……?この音。
──ドキドキ
今日、蓮弥を見たときから、あたし……おかしいよ。
なんか、胸が苦しくなる。
『蓮弥……あたしっ……!!!』
自分でも何をいいかけたのか分からなかったけど
あたしが何か言いかけた時。
いきなり蓮弥の手が顔に触れたと思ったら
気付いた時にはもう、蓮弥の顔が目の前に超ドアップであって……
あたしは、蓮弥と……。キスをしていた。
『んっ……』
どれくらいそうしていたのだろう。
多分、触れるだけのキスだったはずだけど
あたしには、その時間がとても長く感じた。
離れた2つの唇。
そして、蓮弥を見上げると目が合い、
少し気まずそうにだけど、抱きしめられた。