初恋
『初……恋、だったんだ……』
そう呟いていた。
「奈緒っ」
急に開放された体。
さっきあたしが呟いた言葉に蓮弥が気付いていたのかは分からなかったけど。
蓮弥と、目が、合う。
「俺……奈緒が、好き。」
『っ!!!』
突然の言葉に動揺してしまう。
だって、それは、今からあたしが言おうとしてた言葉だったから。
教室の中で夕日に照らされているあたし達。
「だから……俺と、付き合ってくださいっ」
そう言った蓮弥の顔は赤かった。
でも、今までで一番真剣な顔をしていた。
あたしは嬉しくて、涙を堪え切れなかった。
『……っうぅっ、』
急に泣き出したあたしを見て蓮弥は焦っていた。