初恋
そして、海斗の家の前を通り過ぎたとき
「あれ……奈緒じゃん!今日、珍しく早くね?」
聞き覚えのあるその声に振り返ると
『拓海くん!!おはようっ!』
制服を着た拓海くんが居た。
『あれっ、もしかして、拓海くんも日直?』
いつもより早い時間に出かけるなんて……
「おうっ!あれっ、じゃぁ、奈緒も?」
くびをかしげて聞いてくる拓海くんに思わずドキっとしてしまう。
『ぇっ、あぁ、うん!』
拓海くんも日直の時はこんな早い時間に出かけてんのかぁ……
すごいなぁ……(笑)
まぁ、あたしも、毎回蓮弥と日直ならできそうだけどねっ!
「あ、奈緒チャリ後ろ乗ってく?」
拓海くんがいつの間にか自転車を出してきてあたしに言った。
『えっ!いいの?』
「ん、いいよっ」
と優しい笑顔を向けてくれる拓海くん。
『じゃ、お願いしますっ!』
と言ってあたしは拓海くんの後ろに乗らせてもらった。