初恋



あたしは昨日あったことを、もう一度、ゆっくり思い出してみた


『……あ』


昨日の放課後のことを思い出した。


海斗からのメールのことを。

そういえば、昨日……


『"居残り終わったらメールして"って』

そうだ。

拓海くんが言ってたのも多分このことだ

どうしよう。

海斗にメールするの忘れてた……

だから、怒って……

『ごめん、海斗。』

あたしは海斗の目を見て謝った。

でも、海斗は……

「昨日、何してた?」

あたしが謝ったのは聞こえてたはずなのに

『…え?』

「だから、昨日の放課後、何してたの?」

…なんで?

『反省文、書いてた。』

「…それだけ?」

『…え……?』

「反省文書いただけなのに、何で帰ってくる時間遅かったの」

…なに、言ってんの?海斗……

『なんの…こと……?』

「昨日、奈緒が帰ってきた時間、7時。でしょ?」

『っ!!!…なんで知って……』

なんで海斗がそんなこと知ってるの!?

もしかして、蓮弥と帰ってきたとこ見られた!?
< 38 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop