初恋



と、あたしが不思議そうな顔をして言うと

「っ……つか、お前の隣、誰だよ?」

海斗はそっぽを向いて違う質問をしてきた

『は…?……蓮弥、だけど?』

あたしが蓮弥の名前を出した途端海斗がバッと顔を上げ、目を見開いた

「はっ、お前、坂野と日直!?」

と身を乗り出して聞いてきた

あたしは海斗を避けるように少し後ずさり『うん』と答えた

すると海斗は、「うわぁ…まじかよ……」などとつぶやいている

…海斗、さっきからどうしたんだろう。

あっ、それよりも……と思い、教室の隅にある時計に目をやる

『7時…40分』

『蓮弥、まだかなぁ……』

そう、つぶやいた時

今までうなだれていた海斗が、ハッとした表情をしてあたしを見つめてきた

「奈緒……お前、坂野のこと…」

蓮弥の名前がでたとたんに顔が赤くなるあたしは、相当やばいんだと、自分でも思う

…あれ?今、海斗。何ていった?

"お前、坂野のこと…"って…!!

ばれちゃっ……た?…よね。

だってあたし、おもいっきり顔赤くしちゃったし。
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