初恋



あたしのめから零れ落ちた涙は、コンクリートの上に落ち、コンクリートの上に、どんどん色の濃い丸へと変わっていった

「…奈緒っ…!!っなんで泣いてんだよ!」

あたしが泣いていることに気付いた連弥は

しゃがんで、あたしを抱きしめてくれた

『うぅっ……れん、や、れんやぁっっ』

ヒックとしゃくりあげながら蓮弥の名前をただただ呼ぶ

あたしが泣き止んだ頃に

「奈緒…大丈夫か?何があった…?」

あたしの肩に手をやり、

優しくあたしに問いかける蓮弥。

『あ…あの、ね……』

あたしはゆっくり話しはじめた。

朝教室に行ったら海斗が居たこと

そして昨日の放課後に海斗からメールがあって返信を忘れて海斗が怒ってたこと

そして、その後海斗に付き合ってることを報告しようとしたら……いきなりキスされたこと。

あたしは蓮弥に全て話した。

そして、

ギュッ

また連弥があたしを優しく抱きしめた

「…ごめんなっ…奈緒。俺が……もう少し早くに行けば…

何を言い出すかと思えば…

『っ!違うっ!違うよ。全部あたしが…昨日、返信忘れてなかったら良かったことだし…あたしがもっと警戒してたらこんなことには…』

「……奈緒…」

まだ唇に残る海斗の唇の感触。

『ゃっ、いゃっ…』

何度こすってもその感触は消えない。

『なんで……』
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