初恋
あたしは頭を下げ、必死に謝った
「んやっ、大丈夫だよっ、どこも痛くないし」
ニィっと笑い、許してくれた良太。
でも…嘘。突き飛ばしちゃった時、「いってぇ」って…言ってたじゃん。しかも、手…
『ぁっ…良、太。手…』
あたしは良太の手を指差し言った
「ん?……あぁ、これくらい大じょ『やっ、ダメだよ、保健室、行こ』
良太は、手をすりむいていて、血が出ていた。
あたしは怪我をしていない方の良太の手を引いて階段を下り、2階へと向かった。
2階の廊下を歩いている時
「奈緒…大丈夫なの?さっきの…」
遠慮がちに話を切り出した良太。
『…あ、うん。本当に、さっきはごめん!』
歩きながら謝るあたし。
急に良太が足を止めた。
良太の手首を掴んでいたあたしは、前につまずきそうになった。
『おわっ…』
──グイッ
「お…大丈夫か?」
良太があたしの腕を引っ張ってくれたおかげで、前に倒れずにすんだ。
『あ、ありがとう。やっぱ良太って、優しいんだね』
ニコッと笑いお礼を言うと
良太は言いにくそうに