初恋
その声の主は、ビリっとあたし達を簡単に引き剥がした
「お前、人の彼女いきなり抱きしめんなよ」
むすっとした顔で蓮弥が言った。
少しほっぺが膨らんでいるその顔は…
『可愛い…//』
っ!
気付いた時にはもう既に遅し。
は?とでも言いたげな顔で、蓮弥がこっちを睨んでいた
その顔が面白くて見続けていると
みるみるうちに、顔が赤くなっていって…
「かっ、可愛いとか言うな//」
いじけて、顔を逸らした蓮弥の顔が、
幼く見え、それもまた可愛くて…
『ぷっ、蓮弥顔赤いっ、可愛いっ!』
つい噴出してしまい、みんなで爆笑していると
「っ、お前らふざけんなよっ!」
そう言った蓮弥の顔は、更に赤くなっていて、笑っていると
「放課後、覚えとけよ?」
あたしにしか聞こえないように、
あたしの耳元で、そっと、囁いた。
耳元で、ちょっと危険な言葉を囁かれたあたしは
良太に…
「あれっ、奈緒も顔赤いよ?あっ、もしかして蓮弥に…」
『なっ、ち、違うし!何も言われてないよっ!!』
全否定して、上手くごまかしたたつもりだったけど…
「ん?何が違うのかなっ?ふ~ん、蓮弥になんか言われたんだ」
『っ//』
逆に、色々探られてしまった