初恋
「…何バカみたいなこと言ってんだよ、ほら、もう仕事終わったから」
そう言ってあたしの頭に、ポンっと手を乗せた。
『あ、ありがと…』
蓮弥があたしの頭に手を置いている…
蓮弥があたしの髪の毛を触っている…!
昨日髪の毛洗った…(良かった!
洗ったけど、トリートメントしたっけ!?(やばい!!!
トリートメント、したけど…髪ボサボサじゃないかなっ(汗
あわわっ
どうしよっ!
あたし、髪の毛ボサボサかもっ(泣
そんなのを蓮弥に触られてるし~(涙
うぅ~
『あっ!そ、そういえばさ、美柚と良太はどうなのっ?』
「「は?」」
話題を変えてみると、思った通り蓮弥はあたしの頭の上から手を退けた
(良かったぁ…)
目の前を見ると、美柚と良太が、口をあんぐりとあけていた
『あ…だからね、2人はどうなの?付き合ったりしないの?』
あたしが分かりやすく言った途端、2人は
「はっ?なんであたしが良太と」
「はぁ?なんで俺が美柚と…」
と見事にハモらせていた。
『ほらっ!今みたいにハモることも多いじゃん?だから気が合うんじゃないかなぁ…って
』
キーンコーンカーンコーン
「あ、チャイム鳴ったから俺教室戻んなきゃ」
そう言って海斗が急いで教室から出て行った
みんなが急いで席に着く中、
「とにかく、あたしたちはそんなんじゃないからねっ!」
と美柚が少しほっぺを膨らませて言った。
『はいはいっ!』
──ガラガラ
「おい、席着けよー」
先生が入ってきてあたし達は席に着いた。