【B】君の魔法





「どうしたんだろう?」



陽菜が見渡しながら
小さく呟く。



「なんか……
 会長室から重要資料が
 抜き出されたみたいだ……」



他の人たちがそう紡ぐ
会話が……グサリと
私の心に突き刺さる。




「陽菜。

 ごめんなさい。
 私……行くわ」



IDカードを見せて
関係者立ち入り禁止になってる
クリスタルエレベーターの方へ
駆け寄る。



そこには……
予定を変更して
会社に戻ってきたらしい
武流さんと……
その秘書たちが並ぶ。

< 108 / 339 >

この作品をシェア

pagetop