【B】君の魔法
「柳。
もういい。
君が何をしても
起きてしまったことは
変わらない。
尊子、少し
場所を変えて話そうか。
尊子はこの一件を
知る権利がある」
武流さんは立ち尽くしてる
私から離れると
警備スタッフや
警察と会話を交わして
私の方に近づいてくる。
そっと私の肩を
優しく抱いて
そのまま……
会社の外へと連れ出してくれた。
私を守るみたいに……。
それは……
お姫様を守る騎士や
王子様のように……。
服越しに伝わってくる
武流さんの
鼓動が……
温もりが……
何処までも優しかった……。