【B】君の魔法





華南さんは……
掴みどころがない。




華南さんは、既婚者で
武流さんを狙うライバルって
わけでもない。




ただ……
彼女が私を見る瞳は
軽蔑の眼差し以外の
なにものでもなく
お互い、まともに
目をあわすことはなくなった。








そんなギスギスした
空気を感じ取りながらも
時折、
私に仕事の指示を
出してくれる心さん。







社内では、
決して近づけない
会長である武流さんと……私。






武流さんの隣には、
今日も……得意顔の
静香さんが、
ほくそえむ。



< 129 / 339 >

この作品をシェア

pagetop