【B】君の魔法








どれだけ……
肌にキスを落としても、
それだけ……
肌に舌を這わせても
俺を満たすものは
何処にもない。















俺が……
触れるままに
純粋に啼きつづける
静香を見ても……
可愛いとさえ、
思えない。









どれだけ艶やかな瞳で
俺を見つめても
その瞳は
俺を……
満たしてはくれない。





ただ砂漠に吹く
風のように……
砂だけが舞い上がる。




地かせら
舞い上がる砂が……
俺の空しさだけを
かりたたせる。


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