【B】君の魔法
ただ変わったのは……
武流さんがいないことと、
部署が再び、
異動となることがなかった。
「尊子、いいたくないけど
少しは自分を大切にしたら?」
アフターの過ごし方を
唯一知る、陽菜だけが
必死に
私を説得しようとしてくれる。
……でも
……いいのよ……。
どうなっても
いいのだから……。
どれだけ見栄を張って
自分を取り繕っても
私自身が一番知ってる。
その姿が
本当ではないことを。