【B】君の魔法






日中は、
デスクで仕事をこなして
定時になると、
オフィスを抜け出す。






あの場所で……
武流さんと柳さんの
幸せそうな姿を見るのは
苦痛以外の
何者でもないから。








花が萎れていくように
ゆっくりと……
朽ちていく自分を
感じながら……
それからも目を背けるように
出逢った男と……
お酒をのみ、
ホテルで体を重ねる。




お酒は当然……
体が受け付けることはなくして
飲んですぐに
……お手洗いに移動して吐いて……。






そんなことを繰り返しながら
過ごしてきた……時間。







どれほどに、彷徨っても
心が満たされることなんて
ないのに……。


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