【B】君の魔法
目が覚めたところは、
見慣れない部屋。
体を起こさないままに
視線を向けると、此処が
何処かの
病院であることは
静かにわかった。
腕には……点滴。
そして……
私の眠るベッド。
椅子に座ったまま、
頭を預ける
……懐かしい人。
ゆっくりと……
彼を起こさないように
点滴の針を抜いて、
ベッドから
抜け出そうと試みる。
勢いよく引き抜いた
点滴の管から、
薬がポタリポタリと落ちる。