【B】君の魔法
有無を言わさぬ
その言葉に
ゆっくりと頷いて
予定を変更する。
いつものようにディナーを
終えて、
お決まりのように向かうのは
ホテルの一室。
ベッドの上で……
俺の名を呼びながら
甘い声をあげつづける。
満たされない時間は
何も変わらない。
一通りの儀式にも似た
その時間をやり過ごした後、
シーツを巻きつけて
体を起こした彼女が
ゆっくりと口を開いた。
「武流……。
子供が出来たの」
そっと……お腹に、
手を当てて……
愛しそうに言葉にする。