【B】君の魔法
嬉しそうに微笑む、
柳と二人で
ホテルをチェックアウトして
そのまま、
彼女の家へと送り届けると
何も考えずに、
車を走らせた。
気がついたときには……
手遅れなんだ。
昔も……
そして今も……。
俺の罪は
あの日から、
何も変わらない。
……尊子……。
もう……
この手に
君を抱くことすら
適わない。
この罪の代償に
生まれてくるであろう
命を……
見捨てることは
出来ないから。