【B】君の魔法
13.流す涙 -尊子-
街中で倒れて……
祐太が助けてくれた
あの日から……
ちょっぴり違う
いつもの時間が始まった。
最寄り駅。
陽菜と待ち合わせの場所に
最寄り駅なんて違うのに
姿を見せる祐太。
「おはようございます。
祐太さん」
祐太のことを良く知る
陽菜は、不思議そうに
私の顔を見つめる。
「送るよ。
陽菜ちゃんも
乗っていかない?」
階段の方を
ゆっくりと指差す。