【B】君の魔法





一日中、寄り添い続けて
共に同じ時間を過ごした後、
オフィスへと戻った。




「「お疲れ様です」」

「お疲れ様です」



華南と心さんに
迎えられて、戻るオフィス。



そのまま会長室へと
直行する。





「それでは、本日の予定は
 恙無く終了いたしました。
 私は、
 これで失礼致します」





ゆっくりとお辞儀をして
会長室を出ようとした途端、
扉を塞ぐように
武流さんの体が
密着した。





彼の息遣いが
こんなにも近くで
感じられる。



ドキドキしている
心臓の音が
武流さんにも
聞こえてしまいそうで。



我を取り戻したように
ゆっくりと離れる体。




「すまない」




何故?



謝るくらいなら……
何もしないで……。
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