【B】君の魔法
「尊子……。
今、幸せか……」
目を逸らして
小さく呟かれた言葉。
「えぇ。
武流さん……
貴方も、
柳さんとお幸せに……」
サラリと口走る言葉。
この思いは……
秘めやかに
抱き続けないといけない。
「あぁ」
ゆっくりと
会長室を後にして、
トイレに駆け込む。
そんな私に気がついて、
慌てて
駆け込んでくる華南。
化粧室で座り込んで
泣き崩れる私を
ただ、華南は
じっと抱き寄せてくれた。