【B】君の魔法
「私……会長の気持ちが
雪路さんに向いているのを
知ってました。
知りながら……
振り回してたんです。
会長のことが好きでした。
私……海外研修時に
貴方と出逢ってるんです。
研修を終えて、この会社で
キャリアを積んで
貴方をお手伝いできる
秘書室に配属が決まったとき、
運命だと思いました。
一緒に仕事が出来るだけで
幸せだったんです。
でも……
それだけで、
満たされなかったんです」
時折、口を閉ざし
言葉を探すように、
まとめるように
視線を遠くへと向ける。