【B】君の魔法




全ての懺悔を終えて
ゆっくりと浄化されていく
心を表すかのように
柔らかな……
いつもの彼女ではない微笑を。




……そう……。


まるで……
生まれ変わって
再び誕生した自分自身を
祝福するかのように。



「さっき……
 内藤は何しに来たの?」

「私を謝罪しに……」

「内藤の存在は、
 俺も知っていた。
 
 その存在に、
 君が関わっていることも。

 それ故に……
 会社の重要事項を盗難された
 わけでもなかったから、
 事件を公にはしなかった」

「有難うございます。

 行く末は、
 会長のお心のままに」




再び、彼女は
柔らかに微笑んだ。


< 278 / 339 >

この作品をシェア

pagetop