【B】君の魔法



「今まで、
 有難うございました。
 
 お幸せに」



ゆっくりと
お辞儀した彼女。



俺と彼女の
偽りの中の時間が
終止符を打たれた。



ふいに
ノック音が聞こえて、
ドアが
ゆっくりと開かれる。



姿を見せた、
内藤は……
顔に痣をつけたまま
盗難した、
マイクロSDを
頭をさげて、
俺の前に差し出す。


そのSDを手にとって、
ゆっくりと……
病室を後にした。




< 280 / 339 >

この作品をシェア

pagetop