【B】君の魔法
そう思ったら、
いてもたっても
居られなくなった。
大きく育った
彼への思いは
もう……心の中に、
隠し切れないほど
広がっていて。
ソファーから
いきなり立ち上がると
隣に居た華南が
私の鞄を掴んで
目の前に差し出す。
にっこりと笑って、
その鞄を掴むと、
心が凄く軽くなった。
「尊子さん」
「ビビデ バビデ ブー」
奏音さんの呼び止める声の後、
心が紡ぐ、
シンデレラの魔法の呪文が
勇気をくれる。