【B】君の魔法





そんな時間すらも
今は愛しくて。




「武流さま。
 柳さまとの一件は伺いました。
 後のことは、
 お任せくださいませ。


 
 ……頑張ってくださいね……
 武流くん……」







切れた電話を
握り締めたまま


最後の最後に……
中野が
告げた小さな言葉が
昔をゆっくりと
思い起こさせた。






幼い俺が……
彼女に告白を
したあの日の朝を……。










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