【B】君の魔法





「でも……
 武流さんは……」





その先に続く
彼女の言葉を
塞ぐかのように
唇を重ねる。




抵抗して……
俺を跳ね除けようとした
彼女の力も
やがて……落ち着いて……。



徐々に力が抜けていく
彼女の体を
力強く支えながら
ゆっくりと、
その先を
くすぐっていく。





吐息と共に
その口付けを
ゆっくりと終らせると
言葉を続ける。




「結婚は
 解消したよ。

 子供も
 俺の子じゃなかった」




彼女は……
何も言わずに、
再び、
涙を流した。
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