【B】君の魔法




その涙を掬い取って、
彼女の頬に触れる。






「結婚しよう。
 尊子……」






付き合おうでも……
やり直そう……でもなくて……。




いきなり
口走った言葉は
俺自身が一番
びっくりした言葉で。






そんな言葉に
尊子は、
俺の胸に飛び込んで
顔を埋めた。









「武流……」






恥ずかしそうに
頬を赤めて
名前を紡ぐ彼女。



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