【B】君の魔法


中野さんの後に続くように
ゆっくりと長い廊下を歩いて、
ようやく辿り付いたリビング。


そこには、
すでに着替えを済ませた
武流さんが
PCを触りながら
待ってた。



「お待たせしました」

近づいて、
声をかける。


「準備は終わった?

 流石、良く似合ってるね。

 贈ったかいがあったかな。

 モデルがいいと
 洋服も渡しがいがある。

 最後は靴。
 
 君が昨日、
 はいていたヒールは
 洋服と一緒に片付けさせたよ」



そう言って
差し出された箱。



ゆっくりと上蓋に
手をかけて、
開いていく。



箱に入っていたのは
同じく、
有村のヒール。

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