【B】君の魔法
「武流さん、
ランチ、ご馳走様。
素敵なお店ね」
シンデレラを
持て成すには
最高の空間が必要だよ。
彼女とのランチに
選んだのは、
イタリア料理のシェフを
知人が勤めるレストラン。
いつものように、
最上階の特別室で
今日のお姫様を持て成す。
料理に舌つづみを
うちながら
ゆったりと過ごす時間。
支払いを済ませて
レストランを後にして、
愛車へと戻る。
助手席のドアを開けて
エスコート。
彼女は、微笑むと
当然のように
その席へと滑り込む。
プライドの高さと
自分の居場所を
見極める順応力は早い。