【B】君の魔法










……嫌いじゃない……。












俺も運転席へと滑り込むと
ゆっくりとエンジンの
スターターボタンを押す。


心地よいエンジン音と共に
車が胎動しはじめる。
















「尊子、
 君の行きたいところは?」




助手席で
美しい姿勢で座り続ける
彼女に声をかける。



「どちらでも。
 今日は、
 武流に任せるわ」




そう。
君は……
予想通りの言葉を
切り返す。



それが君だからね。


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