【B】君の魔法



「ごきげんよう」



にっこりと笑みを携えて、
彼女に笑いかけると、
彼女は隣を歩きながら
胸元のペンダントに気づく。





「あれっ、尊子。
 それ」


「えぇ。
 頂いたの」


「岡崎さんに?」



嬉しそうに
切り返す陽菜。



「あらっ。

 あの人とはとっくに
 別れたわよ」


さらりと言葉にする。




二日前の……
あんな惨めな私。



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