妖鬼幽伝





「それより、何故お主は縛り縄と封印紙の使い方を知っとったんじゃ?」







自称狐姿に戻った銀零がくりっとした目でハツに尋ねる。



可愛い・・・。



口には絶対に出さないがハツはそう思ったそうな。







「君と会ったあの部屋で気絶した時、夢を見たの」


「・・・ほう?」







興味深げに目を細めた銀零。







「その夢に女の子と男の人がいてね、丁度この使い方を女の子が教えてもらってるとこだったの」


「運が良かったのうお主。そのせいで俺はお主が喰えなかったが」


「そのおかげで私は生きてられてるけど」


「しかし、これからもそうウマくいくとは限らんぞ」


「え?」







銀零の言葉に縛り縄で束ねていた紙束から顔をあげ、キョトンと銀零をハツは見る。



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