妖鬼幽伝
「梁鯉がこの紙束・・・名を゙妖鬼幽伝゙と言うんじゃが、それに封じられていた者の全てが悪質な奴じゃ。
どーせお主は責任感じてこのまま全ての妖共を封じるつもりじゃろう?」
「ウッ・・・・・・」
図星だったハツは言葉につまった。
「だが、油断してるとお主死ぬぞ」
「!!」
「縛り縄と血の契約を交わした今、妖鬼幽伝はお主のものだ。
妖鬼幽伝に封じられていた奴らは、再び封じられないようお主と妖鬼幽伝を狙ってくるぞ」
もしかしたら、お主の周りの奴らにも危害が及ぶかもしれんのう。
そう他人事に言った銀零の言葉に、ハツは表情を暗くする。
「・・・でも、君が助けてくれるでしょ?」
「何故そう思う?」
問いかけながらも確信めいたハツの言葉に銀零が聞く。
「理由はないけど、私の直感がそう言ってるから」
私の感って結構当たるんだよ。
そう得意げに笑ってハツが言うと、一瞬ポカンとした表情をしたあと銀零はニヤリと笑うだけだった。
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