妖鬼幽伝
「まぁ、縛り縄は強力じゃから、ただの人間だろーが力があろーが、聖書に触れない限り封印はとけん。
お主が死ぬか、縛り縄に命令でもしない限りな」
「ぶ、物騒な事言わないでよ・・・;」
「ホントの事じゃろう。実際、梁鯉はもうこの世にはおらんから、お主が縛り縄を解いたらすぐに血の契約は無効になったじゃろ」
「・・・・・・」
梁鯉はもうこの世にはおらんから――――――。
青くなっていたハツだったが、その言葉に冷静さを取り戻した。
「梁鯉さん、死んじゃってるんだ」
「とっくの昔にな。アイツとは茶のみ友達じゃったんだが・・・」
「・・・ねぇ」
「ん?」
「・・・その、梁鯉さんってまさか、妖に殺された・・・とか?」
ドクン、ドクン、と波打つ心臓音がダイレクトにわかったハツ。
それは、何も言わず真っ直ぐにこちらを見てくる銀零のせいで、益々激しくなっていった。
「・・・・・・それは」
「・・・・・・・・・・・・」
それは・・・・・・?