妖鬼幽伝
「知らん」
あっけらかんと言った銀零に、目を点にさせたハツ。
「・・・・・・へ?」
「じゃから、知らん。何時の間にか死んどったんじゃ」
「そ、なの?」
てっきり知ってるかと思ってた・・・。
「それで、お主は教室に戻らなくてよいのか?とっくにチャイムはなったぞ」
「・・・・・・いーよ。今日はサボる」
そう言うとハツはごろん、と寝転がった。
ボーっと青空を見つめるハツを、銀零はじっと見ると何も言わず自身もその場に丸まった。
「・・・私、ずっとペット欲しかったんだよね」
銀零を見ながらハツがそう言うと、次の瞬間銀零はハツの上に地蔵となって乗っかった。
「俺をペット扱いするとは、お主もデカくなったのう」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!潰れる潰れる潰れる!!死ぬ!!」
ハツにとっての日常に、新たな存在が加わっていた―――。