妖鬼幽伝
問いかけられたハツは首を傾げながらうん・・・と返事をする。
「ここの踊り場・・・確か鏡なんてなかった気がするんだよね・・・」
う〜ん?と鏡に顔を近づけながら言うハツを何か思案するように見る銀零。
「・・・お主はアホだから気づかんかっただけじゃろう」
「なんだと」
「さっさと帰るぞ。遅くなるとさらに遅くなるからな」
「?」
疑問に思いながらもさっさと先を行く銀零の後を追ったハツ。
しかし、いくら階段をおりてもおりても一階へとつかない。
「ぎ、銀零・・・どなって・・・の?」
ゼーハーと肩で息をしながらへたり込んだハツは周りを見回しながら聞く。
「お主体力ないのう」
「う、さいな・・・」
「・・・ハツ、窓をあけてみろ」
「えっ?なんで・・・」
「さっさとしろ」
「ハイ・・・」