妖鬼幽伝





「う、ウソ・・・」


「嘘ではない。果てのない階段、果てのない廊下、逃げ場のない建物内・・・こんなことをするのは、おそらく【空凪】じゃろ」


「・・・・・・空凪?」





聞いたことがない、と首を傾げるハツ。





「空凪とは空間をねじ曲げることができる一人でのう。建物内で人を迷わせ、弱ったところでパクリといくんじゃ」


「・・・・・・今まさに私たちのことじゃん」


「そうじゃな」





銀零はどうってことないといった感じだが、ハツは一気にテンションが下がりその場で膝をついた。





「何をしておる。さっさと立たんか」


「え?」


「封印せんか。空凪から俺は妖力を奪うことにしたからな」


「は!?どういうこと・・・?」





何それ初耳・・・ていうかそんなことできるの!?と驚くハツに、銀零はまた顔を歪めた。





「(あ・・・めちゃくちゃ説明めんどくさそうな顔・・・)」


「・・・・・・・・・・・・俺は空間や時間を操ることができる奴からは力を多少奪うことができるんじゃ」


「ほんっと渋々な感じだけど説明ありがとう」





てか、油揚げ以外にも食料あるんだ・・・。





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