妖鬼幽伝
ん〜?としばらく見ていたハツだったが、はっとすると本を床へとおきまた探し始めた。
「やっぱりないのかなぁ・・・」
ふと、棚の上にあるダンボールの中に無造作につまれた本を見たハツ。
次に視線が向かったのは、部屋の角にあった脚立。
「よっ」
脚立に登りギリギリ届くか届かない程度のハツは、先ずはこれからとダンボールを手にした。
が・・・・・
「あっ、わっ、ちょっ!?」
あまりの重さにたえきれず(当たり前)、ダンボールと共にハツは床へと倒れ込んだ。
その際、思いっきり頭を強打したハツは、そのまま気絶してしまった。
「ほぅ、妖が見えるのか」
「そうよ。見えるだけなんだけどね」
誰の声・・・・・?
「だからといって、同じ妖の類の俺に頼むとわのぅ・・・。お主、馬鹿か?」
「失礼ね!あなたにしか頼める奴がいなかったのよ」
女の人と、男の人の声?
ううん・・・女のほうは、女の子って感じ・・・。
「ふっ・・・仕方ない。特別に俺が教えてやろう」
「ありがとう!――――!」
アレ?名前が・・・聞き取れなかった・・・。
ねぇ・・・・・あなた達は・・・誰?
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