不器用なLOVESONG♪


あの日…

大雨程ではないけど
小雨でもないくらいの雨が
ポツポツと降っていた日…


俺は偶然に一条組の近くの自販機の横で座り込んでいた…

雨のおかげて
泣いているかもわからない…

でもきっと俺は泣いていただろう

そんな俺に

不器用で素直じゃないお嬢が
わざわざ話しかけてきた


「何してるの?」

まだ少し幼かったお嬢は
子供用の傘と大人用の傘を二本持っていた

「そんな所にいたら風邪引くぞっ」

お嬢は俺に大人用の傘をくれた

「おいで?あたしが拾ってあげる…あなたも一人なんでしょ?」

その時のお嬢の瞳は…

少し寂しげで
俺と同じ目をしていた





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