おばあちゃんと夢
夢 誕生
翌年には長女が生まれた。
夢を持ち続けて欲しくて『夢』と名付けた。
すくすくと育った夢は大学に進学をして、東京で一人暮らしが始まった。
最初は心配で仕方なかったが、夢は
『大丈夫だから心配しないで!』
と何度も言い、渋々承諾した両親だが、大学2年の冬休みに里帰りしてきた夢を見て驚いてしまった。
最近流行の服装と言葉使いに面食らって仕舞った両親は、娘をたしなめたが聞こうとしてくれなかった。
クリスマスの夜にも家で家族と過ごそうとせず、その後も毎日深夜まで遊びまわっていた。
正月にも家にじっとしていないで遊びまわっていた。
たまに家に帰ればお金のむしんばかり!
今や消防隊長を務める父も娘にはホトホト手を焼いていた。
そうこうしている内に、夢も学校がまもなく始まる為、東京に帰る日が近ずいてきた。
実家で過ごす最後の日、両親は年始周りなどで出かけていた。
家の中ではおばあちゃんだけがいた。
夢は小さい頃はおばあちゃん子で、何時もおばあちゃんと過ごしていた。
共働きだから仕方の無いところもあった。