Colorless Life
 「えっ、・・・私?私は・・・。」

 あっ、そうだ・・・。
 昨日も真田君の隣にいた男の子に同じ質問をされたんだ・・・。
 でも・・・、遥・・・さん・・・って・・・?誰だろう・・・・。

 「朝倉だよ。俺と同じクラスの子なんだ。」
 考え事をしながら戸惑っていたら、真田君が代わりに私を紹介してくれた。
 真田君・・・、私の名前覚えててくれたんだ・・・・。
 「朝倉・・・さん・・・?」
 「は、はい。朝倉詩織・・・・です。」
 「・・・・・。」

 新田さんはまだ私を見ていた。あまりに見つめられるから、どうしたらいいのか分からなくなった。
 「あ、あの・・・・。」
 そう声をかけると、真田君が助けてくれた。
 「あぁ、ごめん。気にしないで。明美、行くぞ~。」
 「あっ、うん・・・。ごめん・・・。」
 新田さんは放心状態で石段を下りていった。

 真田君は新田さんを見届けると、私の方を向いた。
 「それじゃあ、また明日。」
 「う、うん。またね・・・。」
 彼も石段を下りていった。

 2人が自転車に乗って見えなくなるまでその場に突っ立っていた。

 真田君の友達は2人とも私を見て驚いていた・・・。
 それも、普通の驚き方じゃない・・・。
 まるで・・・、私がここにいることがおかしいみたいな驚き方・・・。
 それに・・・、遥さんって・・・・。

 謎は深まるばかりだった・・・。
 ここで考えていても仕方がないから家に帰った。

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