Colorless Life
 その日は部活動が少し早めに終わった。
 あまり疲労感のない今日なら、思いっきり勉強ができるかもしれないと思って、急いで着替えて道場を出た。

 すると道場の前に女の子が立っていた。

 あれは確か・・・、そう!新田さん!
 新田さんも私に気がついて近寄ってきてくれた。
 「こんにちは、新田さん。こんなところでどうしたの?」
 「あ、あの・・・、朝倉さんに少し・・・、話があって・・・。」
 「え、私?なになに?」
 「うん・・・、ちょっと別のとこ行かない・・・?」
 「あ~、そうだね~。じゃあ、あそこのベンチにでも座る?」
 「うん・・・・。」
 新田さんは明らかに元気がなかった。何か悩み事があるみたいだった。

 私たちは中庭のベンチに座った。
 新田さんは、思いつめた顔をして黙ってうつむいていた。
 「新田さん、どうかしたの?悩み事なら、私でよければ相談に乗るよ?」
 「うん・・・・。本当は・・・、こんなこと言いたくなかったんだけど・・・。」
 「ん~?」

 新田さんは、つらそうな顔で私を見た。
 「ごめんね、朝倉さん・・・。ごめん・・・・。」
 突然謝られて戸惑った。
 「えっ、な、なになに・・?」

 新田さんは決意を決めた様子で、かばんの中から1枚の写真を取り出した。
 「とりあえず・・・、これ・・・・、見て・・・。」
 「うん・・、なんだろう・・・。」
 新田さんのあまりの深刻な表情に、私も少し緊張してきた。
 新田さんから写真を受け取って見てみた。

 写真には4人の男女が写っていた。
 制服姿の新田さんと藤村君、さらに入学試験で見たあの素敵な笑顔のままの真田君・・・。

 そして・・・、もう1人・・・・。
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