Colorless Life
 黙って考え込んでいる私に対して、新田さんはさらに話を続けてくれた。

 「遥はね・・・、2ヶ月ほど前に起きた、市内の通り魔事件で・・・、犯人の男に殺されたの・・・・。それも・・・、真田君の目の前で・・・。」

 ・・・・・・・・・・!!!!!
 う、うそ・・・・・・。
 そんな・・・、そんなことって・・・・。

 衝撃の事実に言葉が出てこなかった・・・。
 驚くことが多すぎて、自分が何に対して驚いているのかも分からなかった・・・。

 言葉を発しないまま、もう1度手に持っていた写真を見た・・・。

 すると、新田さんは突然立ち上がって、私の方を見た。
 「朝倉さん!お願い!」
 新田さんの声に驚いて新田さんを見た。
 彼女の目からは大粒の涙がこぼれ落ちていた。
 「お願い!これ以上勇治君を苦しめないで!」
 「えっ・・・。く、苦しめるって・・・・?」
 「写真見たでしょ!?そっくりなの!あなたと遥が!本当に驚くほどそっくりなのよ!!」
 「・・・・・・。」
 「勇治君、あなたを見て絶対遥のこと思い出してる!そんなに似てたら、どれだけ思い出さないようにしたって思い出しちゃうよ!!」
 「・・・・・・。」
 「そしたら・・・、勇治君・・・、もう2度と笑わなくなっちゃう・・・。いつもいつも、つらい顔ばっかりして・・・、あんなにつらそうな顔・・・・、もう、私・・・・、見たくなぃ・・・・・。」
 新田さんは泣き崩れてしまった。
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