Colorless Life
 ガタッっと椅子の動く音がした。

 音のした方を見ると、真田君が少し震えながら立っていた。

 「どうしました?真田君?意見ですか?」
 先生が真田君に話しかけた。

 「・・・・ふざけんな・・・・。」

 「えっ・・?」
 「自分と同じ意見の生徒ばかりで満足か?教師っていうのは、こういう話し合いの時は、自分の考えが悟られないように配慮して話すべきなんじゃねぇのかよ!!!!!」
 「!?・・・・・・・。」
 先生は怯えた様子で黙ってしまった。

 ・・・・・真田君・・・・・。
 チョークを持ったまま、ゆっくり真田君の方を向いた。

 真田君は教室を見渡すようにみんなを睨みつけた。
 「人の命は尊重されるべきだと?奴は何の罪もない命を奪ってんだぞ!その尊重されるべき命を奪ったような奴の命の尊重ってなんだよ!!!真に尊重されるべきは奪われた側の命じゃねえのかよ!!!」

 「犯罪者でも更正できる?そんなもん知るか!人を殺しといてのうのうと生きてる奴に更正もへったくれもあるか!!!」

 「殺さずに生きて償わせるべき?遺族は犯人が死んでも癒されないだと?自分の家族が、自分の大切な人が、自分勝手な奴の身勝手な行動で殺されたとしても、同じことが言えるのかよ!!!!そんな奴が死なずに生きてることを知りながら毎日過ごさなきゃならねぇ遺族の気持ちがお前らに分かるのかよ!!!!!!」

 ・・・・・・・・。
< 118 / 191 >

この作品をシェア

pagetop