Colorless Life
 「私は・・・・きっと・・・・、真田君に・・・ひどいことをしてしまったんですね・・・・。」

 先生は真田君の事情を知らないんだから・・・、仕方ないよ・・・・。

 「そんなに気にしなくてもいいと思います・・・。ただ・・・、あのようなデリケートな問題は、先生の考えがクラスに悟られないように、問題提起だけで留めておくべきだった・・のかもしれません・・・・。先生の意見が分かっちゃうと、みんなの考えが変わっちゃうこともありますから・・・・。」
 「そう・・・ですよね・・・・。」

 先生がますます落ち込んでいきそう・・・。これ以上暗い話はやめよう!

 「とにかく、元気出してください!真田君ならきっと大丈夫ですよ!」
 「朝倉さん・・・・。ありがとうございます。」
 少し元気が戻ってきたみたい・・・。さっきよりいい笑顔になった。
 ほんっと・・・、これじゃあどっちが先生だか分かんないじゃん。

 私も先生に笑顔を返した。
 「それでは、失礼します。さようなら。」
 「はい、さようなら。」
 先生にお辞儀して職員室を出た。

 職員室の前の廊下には藤村君がいた。
 「よっ!」
 「あっ、藤村君。」
 藤村君も少し元気がなかった。

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