Colorless Life
 廊下を歩きながら藤村君と話をした。

 「いやぁ~、まさか勇治の奴があんな風に暴走するとは思ってなかったなぁ~・・・、はははっ・・・。」
 「先生には、真田君の代わりに謝りに行ってたの?」
 「まぁな~、勇治には色々と深い事情があるんだよ・・・。先生には、事情は言えないけどあんまり気にしないでくれって言っておいた。」
 「そっか・・・。」

 藤村君は私を見た。
 「朝倉にも色々面倒かけちまって・・・、ごめんな。」
 「ううん、仕方ないよ・・・・。あんなことがあったんなら・・・。」
 「えっ・・・?」
 「ん?」
 「あんなことって・・・?」
 「あっ・・・・。」

 これって・・・、言ってよかったのかな・・・・。
 いいよね・・・?藤村君は真田君の親友なんだから・・・・。

 「実は私・・・、全部知ってるんだ・・・。真田君の事情・・・・。」
 「えぇぇぇっ!!?」
 藤村君はかなり驚いているみたいだった。
 「な、なんで・・・・?」
 「えっと・・・、新田さんから・・・。」
 「あ~・・、明美か~・・・。なるほどな~・・・。」
 藤村君はしばらく黙っていた。

 「まぁ・・・、知ってるなら話は早いか・・・な・・・?」
 「ん・・?」
 「俺さ、勇治をもう1度笑顔に戻してやりてぇんだよなぁ・・・。知らないと思うけど、笑うといい顔すんだよ、あいつ・・・。遥ちゃんが死んでから、クスリともしなくなっちまいやがったけどな・・・。・・・なんとかしてあいつを・・・、元の勇治に戻してやりてぇんだよ・・・・。」
 「・・・・・。」
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