Colorless Life
 少し沈黙が流れた・・・。

 問題が解けない・・・・。もう行ってくれないかな・・・。

 「私の家ね、あの石段の上のお寺なの。」

 ・・・・・!!!

 「えっ!?」

 突然の衝撃の告白に、冷静を装うのも忘れて振り返ってしまった。
 俺の大げさな反応に、朝倉も少し驚いているようだった。

 「そ、そうなんだ・・・・。」
 できるだけ動揺を誤魔化そうとしたが、かえって中途半端になってしまった。

 「う、うん・・。正確にはおじさんのところにお世話になってるんだけどね。」
 「へぇ~・・・・。そっか・・・。」
 そう言ってゆっくりノートに顔を戻した。

 「あっ、勉強邪魔しちゃってごめんね。それじゃあ頑張って。」
 朝倉は教室を出て走っていった。

 1人になった教室で大きくため息をついた。

 朝倉はあそこに住んでたんだ・・・。
 道理であんなところを歩いてくるわけだ・・・。

 こりゃ・・・、気軽に遥に会いに行けなくなっちまったかな・・・・。

 ・・・・今日は帰ろう・・・。勉強に集中できない・・・。

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